2020年3月30日、欧州評議会はベトナムEU自由貿易協定(EVFTA)の批准に関する決定を承認し、EVFTAの発行に向けて一歩進みました。
写真:欧州評議会はベトナムEU自由貿易協定(EVFTA)の批准に関する決定を承認しました。
(出典:congthuong.ninhbinh.gov.vn)
EVFTAは、2019年6月30日に欧州連合(EU)とベトナムに署名され、2020年2月12日に、フランス・ストラスブールにおいて欧州議会の本会議に承認されました。欧州議会の承認からまだ2ヶ月もないものの、EVFTAは欧州委員会に正式に承認されました。比較すれば、EUとシンガポールの自由貿易協定は、同様の手続きに、2019年2月13日から同年11月8日までのほぼ9ヶ月がかかりました。特に、EU諸国におけるCOVID-19感染拡大により会議の開催が困難になっている状況にも拘らず、EUは、文書により批准決定の承認を積極的に進めていました。それは、ベトナムと経済面での協力の促進、貿易とサプライチェーンの強化というEUの方針を表した動きと言えます。EU議長国を務めるクロアチアのゴルダン・グルリッチ・ラドマン外務・欧州問題大臣は、「ベトナムはシンガポールに次ぎ、EUがFTAを締結した東南アジアの2か国目となった。EVFTA はEUがこれまでに開発途上国との間で締結した協定の中で最も野心的な協定でもある」とコメントしました。
欧州評議会の承認により、EU側が手続きを完了しました。次のステップとして、ベトナム側は今後、国会の承認を経て、批准手続きを完了します。EUとベトナム両側が批准手続完了の旨を互いに通知した日から30日目に、EVFTAが発行します。現在、国会常務委員会は、政府に対してEVFTA批准に関する書類の準備を完了し、4月に開会される国会常務委員会に提出することを要請しています。国会には5月開会予定の国会会期において提出し、承認を得る予定です。
EVFTAにより、ベトナムからEUに輸出する品目の70%に対する関税が減額され、99.7%の関税が撤廃されることになります。また、ベトナムの業者にとって、知的財産権の保護、労働者の保護、持続的な発展等、チャレンジも多くもたらしてきます。EVFTAがベトナムとEUに締結された背景としては、ベトナムとEUの外交関係が樹立してから30年目になり(1990〜2020)徐々に発展していることもあります。特に、経済・貿易の面では、EUはベトナムの重要な貿易相手であり、2019年の往復貿易総額が564.5億米ドルに達しました。歴史上前例のないCOVID-19感染拡大が全世界に与えている問題の中で、EVFTAは希望の光のように見られており、EUとベトナムの経済が直面している問題の解決に重要な役割を果たすことが期待されています。
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